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上杉家ゆかりの寺から230年ぶりに本尊を運び出す

 米沢市にある上杉家ゆかりの寺から、修復作業のためおよそ230年ぶりに本尊である「大日如来像」が運び出されました。

 米沢市の普門院はかつて、上杉鷹山が師匠である細井平洲を出迎えた地とされています。
 その本尊である「木造大日如来座像」はおよそ230年前に西川町の湯殿山神社から贈られたとされ、仏教美術として価値のある仏像です。2023年4月、専門家らの調査で「倒壊の恐れがある」などの指摘を受け今回、修復することになりました。

 きょうは仏像から魂を抜く法要が行われたあと上山市の仏像修復の専門スタッフ3人がお堂から仏像を運び出す作業にあたりました。
 台座を含めた本尊の高さは220センチ。重さはわからないためスタッフは声を掛け合いながら確認するように少しずつ仏像を持ち上げます。
 そして、あらかじめ作っておいた専用の木枠に「さらし」などで丁寧に固定しまました。

 作業を見守る住職は…
【高橋隆文住職】
「さびしいですね。ずっと一緒だったもんですから。」
 作業開始からおよそ1時間半。250年ぶりに寺の外へと運び出されました。

【東北古典彫刻修復研究所 渡辺真吾副所長】
「山形県内の宗教観が現れている像。そういった歴史性と共に未来につなげていけるような修復をしたい」

 修復には1年ほどかかるということです。