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X線CT撮影装置を導入 芸術系大学で国内初

 文化財の保存や修復に役立てようと、東北芸術工科大学がX線CT撮影装置を導入しました。
 こちらが芸術系大学では国内で初導入となるX線CT撮影装置です。

きょうは本格的な運用開始を前に報道関係者に公開されました。

【東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター 伊藤幸司教授】
「(文化財は)いろいろな形、大きさ、そして材質のものがある。文化財用というのは一般的にこういう形をしている」

 この装置を導入したのは、東北芸術工科大学の「文化財保存修復研究センター」。文化財をはじめ出土品の状態や製作技法の調査などに用いられます。
 対象物に合わせ装置を移動して撮影することが可能で、こうした撮影により複数の画像データを一つの画像として合成できるのが最大の特徴です。

【東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター 伊藤幸司教授】
「これがフラット状のパネルで、X線の画像を撮影します」

 これにより、高さ1メートル、幅60センチの大きさの対象物まで撮影することができるということです。
また対象を立体的に観察することで長さや体積などの三次元測定も可能となりました。
 こうした利点を生かした調査では、すでに成果も出ています。

 センターが修復を進める鶴岡市・善宝寺の「五百羅漢像」の調査で、仏像の顔を掘る際の目印=「錐点」のこまかな位置関係を解明しました。

【東北芸術工科大学 文化財保存修復研究センター 笹岡直美准教授】
「(錐点は)なんらか製作の上で使われた技法であることは予想できていたが、CTの導入によって点の位置関係、深さ、場所の正確な所が今回分かって、非常に大きな成果だと考える」

 大学ではセンター内での利用に留めず、学外と連携した活用なども進めていく考えです。