2026年7月18日放送
東根市で見つけた、漬物の奥深さ。老舗「壽屋寿香蔵」とぬもりカフェを訪ねました
今回訪れたのは、東根市にある老舗漬物店「壽屋寿香蔵」。店内には定番から季節限定まで、30〜40種類もの漬物が並び、ひとつひとつに手間と工夫が詰まっています。 併設の古民家カフェや漬物づくり体験も楽しめる、発酵の魅力にたっぷり触れられるスポットでした。

創業70年を超える「壽屋寿香蔵」は、東根市で長く親しまれてきた漬物店です。店頭には、季節限定の商品も含めて30〜40種類の漬物がずらり。色合いも味わいもさまざまで、見ているだけでも楽しくなります。

最初にいただいたのは、「紅花染めたくあん」。秋大根を使った本漬けのたくあんで、黄色は山形の花・紅花で染めているそうです。しっかり干した大根をぬか漬けにしているため、噛むほどにうまみが広がる、王道のおいしさが印象的でした。
続いて味わった「ぴり辛きゅうり」は、古漬けにしたきゅうりをぶつ切りにし、青唐辛子としその実で風味を添えた一品。パリッとした食感に、ほどよい塩気と辛みが重なり、箸が進む味わいです。

夏の人気商品だという「リンゴ酢のピクルス ミックス」も爽やか。野菜それぞれの持ち味が生きていて、にんじんの甘みもしっかり感じられます。

さらに、舟形町産のマッシュルームを和風だしと醤油に漬け込んだ「マッシュルームの醤油漬」は、ぷりっとした食感と深みのある味わいが魅力でした。

最後にいただいたのは、サクランボ由来の乳酸菌を使って発酵させた「しっかり発酵キムチ」。しっかりとしたコクがありながら、後味はすっきり。酸味が感じられるのは、乳酸発酵が進んでいる証とのことでした。

壽屋寿香蔵では、漬物づくりの体験も楽しめます。今回使ったのは大根。袋の中に酒かす、からし粉、砂糖、塩を入れ、よく混ぜて漬け床を作っていきます。
そこへ食べやすい大きさに切った大根を加え、表面に酒かすがしっかりつくようにもみ込んでいきます。仕上げに袋の空気を抜いて口を輪ゴムで留めたら、あとは冷蔵庫で2〜3日寝かせて完成です。
工程そのものはシンプルですが、実際にやってみると、ちょうどよい量に切り分けたり、均一に漬け床をなじませたりと、思った以上に細やかな作業が必要です。毎日の食卓に並ぶ漬物の裏側にある、丁寧な手仕事を身近に感じられる体験でした。

壽屋寿香蔵に併設されているのが「ぬもりカフェ」。築130年ほどの古民家の土間部分を活用した空間で、落ち着いた雰囲気の中、ひと休みできます。

こちらで味わえるのが、壽屋オリジナルの甘酒。種類は全部で9種類あり、今回はベーシックな「甘酒プレーン」をいただきました。麹ともち米だけで作られていて、すっきりとした甘さと、もち米のつぶつぶした食感が特徴です。やわらかくまろやかな飲み口で、後味も軽やかでした。
甘酒には、壽屋の看板商品「梅の砂糖漬け 茜姫」と漬物が添えられます。甘みのあとに梅の酸味がふわっと広がり、暑い時季にもぴったりの味わい。食欲が落ちがちな時季にも、うれしい組み合わせです。

さらに夏限定メニューとして登場するのが「フローズン果実ソーダ」。県産の凍った果物をたっぷり使い、この日はサクランボ、シャインマスカット、桃、メロン、リンゴ、柿が入っていました。壽屋の“飲むお酢”である梅酢を炭酸で割り、梅のシロップやリンゴ酢も合わせた一杯は、さっぱりとしていて夏にぴったり。見た目にも涼やかで、気分まで軽くなるようなドリンクでした。

同じ東根市内には、壽屋寿香蔵の漬物を作っている「壽屋漬物道場」もあります。現場では、きゅうりの醤油漬けを手で混ぜながら漬け込む作業が行われていました。
漬物は野菜の種類も切り方も多く、商品によって漬け方が異なるため、機械化が難しいそうです。そのため、今も基本は手作業。ひとつひとつの状態を見ながら仕上げていく、昔ながらの丁寧なものづくりが続いています。
あわせて見せていただいたのが、「梅の砂糖漬け 茜姫」の袋詰め作業。地元・東根市産の梅を使い、1日600個を製造しているとのことです。完熟梅ならではの甘みと酸味がぎゅっと詰まっていて、まろやかな口当たりも印象に残りました。
漬物も梅も、どれも一口の中に手間とこだわりが感じられるものばかり。長く愛されてきた理由が、味わうほどによく伝わってきます。
取材情報
壽屋寿香蔵
東根市本町6−36
ぬもりカフェ
東根市本町6−35 内



