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2026年10月17日放送

金山町

レトロな街並みに心ひかれる 金山町「マルコの蔵」で楽しむ昭和の記憶と郷土の味

今回訪ねたのは、宿場町の面影が残る金山町中心部にある「金山町街角交流施設 マルコの蔵」です。白壁や板張りの家々が並ぶ美しい街並みの中で、懐かしさあふれる展示やレトロなカフェメニュー、地元の味に出会いました。歩くほどに、この町ならではの魅力がじんわり伝わってくる場所です。

金山町中心部は、江戸時代に羽州街道の宿場町として栄えたエリア。白壁に切妻屋根、板張りが特徴の家々が並び、落ち着いた雰囲気の街並みが広がっています。

どこか懐かしく、ゆっくり歩きたくなるこの風景は、金山町を訪れたらまず味わいたい魅力のひとつ。レトロという言葉がよく似合う景色の中に、今回の目的地「マルコの蔵」があります。

マルコの蔵で開催されているのが、「かねやま昭和ミニレトロ館」です。地元の高校生のアイデアをきっかけに始まった展示で、コレクターの長倉春喜さんが大切に集めてきた品々の一部が並びます。

長倉さんがレトロアイテムを集め始めたのは20代の頃。自宅にはジュークボックスや街角のたばこ屋をはじめ、1000点を超えるコレクションがあるそうです。会場には、懐かしのプラモデルや昭和の雑貨、乗り物にまつわるアイテムなどがずらり。好きな人にはたまらない内容で、世代によって見え方が変わるのもおもしろいところです。

中でも印象的だったのは、長倉さんの“ものづくり”のこだわり。昭和39年ごろに新庄―肘折間を走っていたボンネットバスを、山形交通の表記まで含めて忠実に再現したオリジナルのプラモデルは、細部まで目を凝らしたくなる一台でした。さらに、昭和の車や駐車場の発券機まで話題は広がり、展示そのものに長倉さんの愛情が詰まっていることが伝わってきます。

会場には連日多くの人が訪れているそうで、懐かしさを味わいたい世代はもちろん、若い世代にとっては新鮮な発見がある展示です。

レトロ気分をさらに楽しむなら、マルコの蔵・東蔵のカフェにも立ち寄りたいところです。こちらでは、昭和ミニレトロ館とコラボしたメニューが味わえます。

目を引くのは、エメラルドグリーンのシュワっとしたドリンク。メロンの風味と爽快感がどこか懐かしく、見た目にも楽しい一杯です。そこに合わせているのが、マルコの蔵の定番「メープルソフト」。バニラソフトにメープルの原料を練り込んだ、コクのある味わいが特徴です。

もうひとつ気になったのが、ほろ苦いコーヒーゼリーとソフトクリームを合わせたコーヒーフロート。甘さと苦みのバランスがよく、昔ながらの喫茶店を思わせる落ち着いたおいしさでした。

さらに、喫茶店の定番メニューとして親しまれてきたピザトーストも登場。こんがり香ばしいトーストに、とろりと伸びるチーズ。外はカリッと、中はもっちりとした食感で、シンプルだからこそ飽きのこない味わいです。派手さはなくても、また食べたくなる。そんな魅力がありました。

東蔵にはカフェのほか、地元の食材や加工品が並ぶ産直「ちょうほう屋」もあります。町内にスーパーマーケットがない金山町にとって、ちょうほう屋は暮らしを支える大切な存在。店名には、金山町で“重宝する”店でありたいという思いが込められているそうです

店内には、金山ならではの商品が並びます。たとえば「ビーナッツ100%ペースト」は、“美しい”の「美」を使った名前が印象的なひと品。砂糖やバターを加えて和え物にしたり、好みに合わせて使えるそうで、アレンジの幅も広がりそうです。

この日、特に注目を集めていたのが「ごぼうたたき」。午前中に売り切れてしまうほど人気の郷土食で、製造の現場も見せていただきました。

ごぼうたたきは、ごぼうを切って蒸し、叩いて形を整え、さらに2度揚げして作るもの。完成までにおよそ3日かかるといい、手間ひまのかかる一品です。見た目はどこか蒲焼きのようで、食べてみるとサクサク、カリカリ。甘じょっぱい味つけの中に、ごぼうのコクとうまみがしっかり感じられました。

この味が生まれたきっかけは、20年以上前。作り手の日渡さんが、ある店で食べた「杉川もどき」という料理のおいしさに感動し、役場の人たちと一緒に見よう見まねで作り始めたのだそうです。何度も試行錯誤を重ねて形にした味は、今では金山で親しまれる郷土の味になりました。

物価高騰などで作り続ける難しさもある中、それでも続けているのは、この味を待っている人がいるから。店頭で販売していると、「金山に行ってみたい」「行ってきたよ」と声をかけてもらうこともあるそうで、食を通して町の魅力が伝わっていることも感じられました。

取材情報

街角交流施設マルコの蔵

住所:金山町大字金山363-2
Instagram:@marukonokura