2026年8月29日放送
寒河江産サクランボがビールに。秋保「GREAT DANE BREWING」で出会う特別な一杯
今回取材したのは、宮城県秋保町にあるクラフトビール醸造所「GREAT DANE BREWING」です。 寒河江市産のサクランボを使った個性豊かなビールづくりに取り組んでいて、ショップやレストランも併設。素材へのこだわりと丁寧な醸造から生まれる、ここならではの味わいを見つけました。

「GREAT DANE BREWING」は、アメリカ創業のクラフトビールメーカーが2024年にオープンした醸造所です。施設内にはショップとレストランがあり、ビールづくりの魅力と味わう楽しさの両方を感じられる空間になっていました。
創業者のひとり、ロブ・ロブレグリオさんは、2012年に全米年間最優秀醸造家に選ばれた実力派。伝統的なビールづくりを得意としながら、地域の農産物を生かした一杯にも力を入れています。
寒河江市産サクランボとの出会いのきっかけは、仙台市を拠点に活動するロックバンド「MONKEY MAJIK」のメンバー、ブレイズ・プラントさんだったそう。地元の農業と関わりながらビールをつくる姿勢は、アメリカ時代から大切にしてきた考え方でもあるといいます。

醸造所では、ビールの主な原料である水、モルト、ホップ、酵母について教えていただきました。なかでもモルトは、焙煎の深さや原料によって、味わいや色合いが大きく変わる重要な存在。実際に見せていただいたカラメルモルトは、香ばしさとほのかな甘み、後からくる苦みが印象的でした。
粉砕したモルトは仕込み槽でお湯と合わせ、ホップで苦みと香りを加え、発酵前の麦汁になります。その後、酵母を加えて発酵へ。取材した設備はおよそ3000リットル規模で、一度にかなりの量を仕込めるそうです。
そして、寒河江市産サクランボを使ったビールづくりで特徴的なのが、果実の扱い方。使用するのは「ナポレオン」という品種で、強い酸味とジューシーさが特長です。ビールに果実味をしっかり移すため、収穫後はいったん冷凍し、細胞壁を壊してから使います。さらに、サクランボはネットに入れて発酵タンクで約6か月漬け込むとのこと。時間と手間をかけて仕上げる、まさに特別なビールです。

この醸造所で手がけるサクランボビールが、「SAGAE CHERRY TRIPEL」です。寒河江市産ナポレオンを使ったこのビールは、発売初年に世界的なビール審査会「インターナショナル・ビアカップ」で金賞を受賞しました。
実際に味わってみると、まず感じるのはフルーティーな印象。アルコール度数は14%としっかりしていますが、重たさだけではなく、サクランボ由来の酸味がきれいに立っています。香りには、ほのかなサクランボのニュアンスに加え、ベルギー酵母による華やかさも重なり、複雑で奥行きのある味わいでした。
色合いも印象的で、黄金色の中にサクランボ由来のやわらかな表情が見えます。甘みと酸味のバランスがよく、ゆっくり味わいたくなる一杯です。
なお、取材時点では次回の仕込みはこれからで、1月に準備を始め、翌年6月の発売を予定しているとのことでした。

併設のレストランでは、ビールと相性のよい料理も楽しめます。
印象的だったのは、蔵王のチーズを使ったフライ「チーズカード」。外は香ばしく、中はのびのあるチーズの食感が楽しめる一品です。ボリュームのあるチーズバーガーは、地域の人やファンの声を取り入れながら仕上げたそうで、ジューシーさと食べ応えが魅力でした。
中でも「SAGAE CHERRY TRIPEL」と相性がいいと教えていただいたのがBLT。野菜がたっぷり入っていて、さっぱりと食べられるため、ビールの甘みと酸味を引き立ててくれます。重厚感のあるビールながら、爽やかな料理と合わせることで、よりバランスよく楽しめるのが印象的でした。

もうひとつ味わったのが、代表的なビール「グレートラガー」です。こちらはカラメルモルトを使った琥珀色のラガーで、すっきりとした飲み口の中に、やさしい甘みが感じられました。
華やかな果実系ビールだけでなく、定番の一杯にも原料選びや製法へのこだわりがしっかり表れていて、醸造所としての懐の深さを感じます。
取材情報
グレートデーンブリューイング
宮城県仙台市太白区秋保町湯元枇杷原5



