2026年5月9日放送
食べ放題の手打ちそば 七兵衛そば
今回訪れたのは、大石田町の山あいに店を構える「七兵衛そば」。豊かな自然に囲まれたロケーションの中で、手打ちそばをお腹いっぱい味わえる一軒です。 この店ならではの楽しみは、そばの風味を引き立てる“大根汁”の食べ方。素朴で力強いおいしさに、思わず箸が進みます。

大石田町の自然に包まれた場所にある「七兵衛そば」。山あいの景色を眺めながら向かう道のりも、この店の魅力のひとつです。こんな場所にそば店があるのかと驚かされる一方で、足を運びたくなる特別感があります。
開店前の朝8時半、店内ではすでに当日提供するそばの仕込みが始まっていました。目の前で進むそば打ちは、まさに職人技。生地が少しずつ整えられていく様子は、見ているだけでも引き込まれます。

そばを打つのは、店主の井上さん。75歳のそば打ち職人です。毎日こうして手をかけながら、一杯一杯を仕上げています。
店主によると、そば粉はコシと甘みが出るよう工夫しながら、北海道産もブレンドしているそう。口に運ぶと、そばの香りがふわっと広がり、しっかりとした食感も楽しめます。

そして「七兵衛そば」でぜひ味わいたいのが、大根のしぼり汁で食べるスタイルです。大根汁にタレを加え、そこにそばをくぐらせていただきます。ほどよい辛みがありながら、後からそばの甘みが引き立つのが印象的。シンプルながら、この土地ならではの食文化を感じる食べ方です。
この大根汁には、店主の歩みも重なっています。そば店を始める前は大根を出荷していたそうで、昔からこの地域では大根の汁でそばを食べる習慣があったとのこと。地元の食べ方を大切に受け継いでいる一杯です。

「七兵衛そば」の大きな特徴が、そばの食べ放題。価格は1700円とのことです。
この食べ放題が始まったきっかけも、なんともあたたかいものでした。山の奥までわざわざ来てくれるお客さんに、「腹いっぱい食べていってほしい」という思いから、おかわりを勧めたことが始まりだったそうです。たっぷり食べてもらいたいという店主のやさしさが、そのまま店のスタイルになっています。
午前11時の開店を迎えると、店内はあっという間にお客さんでいっぱいに。県内外から何度も通う人も多く、「大根汁がやっぱりおいしい」「このそばを食べるために来ている」という声が聞かれました。長く愛されている理由が、店の空気からも伝わってきます。
そばと一緒に並ぶ品々にも注目です。この日いただいたのは、わらびの一本漬け、こごみの一夜漬け、きくらげの辛子醤油和え。
わらびは味わいに深みがあり、こごみはシャキッとした食感が心地よく、箸休めにもぴったりです。きくらげは弾力があり、噛むほどに食感のよさが楽しめます。どれもそばの名脇役というだけでなく、それぞれがしっかり存在感のあるおいしさでした。
実際にそばをいただいてみると、まず感じるのは香りの豊かさ。そして力強いコシです。大根汁の辛みが合わさることで、ひと口ごとの満足感がぐっと増していきます。つるつると食べ進めたくなる味わいで、おかわりしたくなるのも納得です。
取材情報
七兵衛そば
大石田町次年子266



