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2026年9月12日放送

寒河江市

お気に入りの一枚探し 全国大陶器市で出会う、器の楽しさと奥深さ

今回取材したのは、山形で開かれている「全国大陶器市」です。 全国的に知られる陶磁器の産地からおよそ30の業者が集まり、会場には50万点以上の器がずらり。 普段使いしやすい器から、骨董として楽しめる貴重な品まで並ぶ会場で、陶器市ならではの魅力を見つけてきました。

幅広い世代に人気の全国大陶器市。会場をしっかり楽しむには、最初の準備も大切です。

たくさんの人が集まる会場では、大きな荷物は動きにくさの原因に。さらに、日傘などで手がふさがると、器を手に取りながら見て回るのが難しくなります。 会場を歩くなら、帽子、軍手、そして履き慣れた靴があると安心です。軍手は、器についたほこりを拭き取るときにも便利だそうです。

じっくり見て回るほど、器との出会いは増えていくもの。身軽な準備で出かけると、陶器市の楽しさをより味わえそうです。

会場では、まず値段を見ずに少し離れたところから器を見るのもおすすめです。 「自分ならいくらだと思うか」を考えながら眺めると、器を見る楽しみがぐっと広がります。

売り場に立つ人たちは、それぞれの器に詳しい“本職”の方ばかり。焼き物の特徴や作り手のこだわりを聞きながら選べるのも、陶器市ならではの魅力です。

目を引いたのは、色とりどりのかわいらしい食器が並ぶ美濃焼のコーナー。岐阜県の美濃焼は、数多く作る技術に強みがあり、その分、手に取りやすい価格帯のものが多いそうです。

中でも印象的だったのが、1895年創業の窯元が手がける人気シリーズ。やわらかなグラデーションは一つひとつ手作業で仕上げられていて、同じように見えても表情は少しずつ違います。 そんな違いを見比べながら、「どれにしよう」と迷う時間も、器選びの楽しさのひとつです。

さらに、ひまわりの形をした珍しい皿も並んでいました。 「この器にどんな料理を盛ろうか」と想像しながら見ると、器そのものの形や色がより身近に感じられます。毎日の食卓を思い浮かべながら選べるのは、陶器市ならではのわくわく感です。

続いて足を止めたのは、古伊万里がずらりと並ぶお店。豪華な絵柄が目を引き、ひとつひとつに存在感があります。

伊万里焼は、本来は有田焼のことを指すそうです。江戸時代初期、現在の佐賀県で生産が始まった日本初の磁器で、その焼き物が伊万里港から海外へ運ばれたことから「伊万里焼」と呼ばれるようになりました。 そして、江戸時代に作られた伊万里焼が「古伊万里」です。

古伊万里の大きな特徴は、すべてが手書き・手作りであること。現代の焼き物とは違い、当時は電気やガスではなく、薪を使った登り窯で焼かれていました。焼き上げるのに1週間かかることもあったそうです。 いまではプリントや印判の技法もありますが、こうした手書きの技を持つ職人は少なくなっているとのこと。古伊万里が貴重とされる理由が、器を前にするとよく伝わってきます。

店の奥には、さらに目を引く作品がありました。 手がけたのは、平成7年に人間国宝に指定された井上萬二さん。白磁の名手として知られる存在です。

白磁は、ほんのわずかな曇りも許されない繊細な世界。少しでも傷やくもりがあれば、一級品にはならないそうです。会場に並ぶ作品は、厳しい目を通ったものばかり。 その完成度の高さは、実際に見るとよく分かります。

特に印象的だったのは、湯のみの表面に施された笹の意匠。光にかざすと、彫りの美しさがふわりと浮かび上がり、手仕事のすごみを感じさせてくれました。 器として使うだけでなく、技そのものを味わう。そんな楽しみ方ができるのも、この陶器市の魅力です。

たくさんの器を見比べた中で、取材で出会ったお気に入りの一枚は、重厚感のある見た目と深い藍色が印象的なお皿でした。

特別な日だけでなく、毎日の食卓でも使いたくなる存在感があり、海鮮をのせて海鮮丼を楽しみたくなるような一皿。 華やかな器、かわいらしい器、歴史を感じる器――会場を歩いていると、それぞれの暮らしに寄り添う“とっておき”がきっと見つかります。

取材情報

最上川ふるさと総合公園

寒河江市寒河江山西 甲1269
https://dai-toukiichi.com/event/2026sagae