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戸沢村蔵岡地区の防災集団移転事業 住民説明会
2024年7月の記録的大雨で集落全体が水に浸かった戸沢村蔵岡地区。
検討が進められている防災集団移転事業について、昨夜住民説明会が行われ今後のスケジュールなどが示されました。
「去年の大雨でみなさん人生変わるような思いをしたので、今回でみんなが方向性が同じ方向に向いたということで、(移転に向けて)始まる第一歩。」
住民説明会には、2024年7月の大雨で住宅の浸水被害を受けた中村健一さんら、蔵岡地区の63世帯108人が出席しました。
冒頭を除き非公開で行われたこの説明会。
村が示したのは、今年度の事業の進め方やおおまかなスケジュールです。
村によりますと9月末までに移転先の候補を住民に提示し、住宅の補償費や土地の買取額の目安を示す予定です。
それを踏まえた上で住民の意思を確認するアンケートを再度実施。
全世帯の同意が得られれば、12月末までに再び住民説明会を開き、今後の蔵岡地区の活用案や移転先の整備などについて詳細な検討を始めます。
その後、2024年3月末までに地区を災害危険区域にし、新たな住宅の建築を禁止とする条例案を制定する予定です。
村は2025年度中に事業計画書を完成させ、2026年度中に国の同意をとりたい考えです。
加藤文明村長は、スピード感をもって防災集団移転事業を進めていくとしています。
「村単独で到底できる事業ではない。(蔵岡地区の状況を)関係機関に話して移転事業を実行できるよう先頭に立ってがんばる。」
仮設住宅で暮らしている佐藤一春さんは、今後のスケジュールなどが初めて示され、安堵していました。
「やっと(スケジュールに)基づいた今後の生活設計を立てられるまでになったので少しはよかった。」
「当局の方も一日も早い集団移転ができるよう精一杯頑張ると言っていたので、それに期待するしかないが我々住民も最大限の協力を惜しまないという雰囲気はあった。」
一方、現役世代を引っ張る中村さんは、示された長期のスケジュールに対し、不安も口にします。
「ひと月単位で、家庭の事情が変わったり心が揺れ動く中で移住するということでみんなで一緒に住もうか息子娘さんの近くに行こうか心が定まっていない人が多い感じがした。」
「みんなでまた笑って過ごせる集落を目指したいと思ったが、なにぶんかなり長期的な計画だったもので、高齢の人が多い集落なので少し心配。」
あと2カ月ほどで大雨被害から1年を迎える蔵岡地区の住民たち。
村や住民たちの「安住の地」を求める防災集団移転事業は、着実に歩みを進めています。
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