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フルーツ・ステーション 予算案削減 県議会で可決

 山形県議会で、県産フルーツの情報発信拠点「フルーツ・ステーション」をめぐり、本会議で新年度の当初予算案を撤回。関連予算を削った予算案を再提案し、可決されました。

 3月15日の議会運営委員会で、県は新年度予算案を撤回すると申し出ました。

【山形県 松澤勝志 総務部長】
「さくらんぼを核とした県産フルーツ情報発信事業費の事業内容を見直すために撤回するもの。審議するようお願いします」

 「フルーツ・ステーション」は、県産フルーツの情報発信拠点として、県が寒河江市の「最上川ふるさと総合公園」に整備を計画しているもので、県内各地に同様の施設をつくり情報発信のネットワーク化を目指しています。

 事業の発端は、2022年の2月定例会。
 県が当初予算案に「果樹情報発信施設」の整備計画を盛り込みましたが、最大会派の自民党が計画の説明が不十分だとして反発。
 県が、初めて当初予算案を撤回する事態となりました。

 その後 県は民間活力を導入した「フルーツ・ステーション」を寒河江市に整備する計画を示し、2023年度の当初予算案に、その調査費などを計上し、可決されました。

 そして、新年度の当初予算案では、事業者公募に向けた費用など約4800万円が盛り込まれましたが、自民党が場所の選定や施設の効果を疑問視し、3月13日の農林水産常任委員会で予算案を否決。これを受け、県が再び予算案を撤回することになりました。

 県は3月15日の本会議で、新年度の予算案を撤回した上で、フルーツ・ステーションの関連費用を削除した6497億8345万円の予算案を再提案し、可決されました。

【山形県 吉村美栄子 知事】
「再議ということも頭をよぎったが、当初予算案を何としてでも通してもらわないと、県民生活に不利益が生じるということがある。そこだけは何としてでも避けなければならないという強い思いで(予算案を撤回)」

 吉村知事は、今後の計画は決まっていないとした上で、農業の課題解決に向けた取り組みについて、改めて検討していきたいとしました。

【山形県 吉村美栄子 知事】
「今後どうやって、また希望を持って生産を次の世代にもしてもらえるか。そういうことを考えなければいけないと思っている。前向きにめげてられないので頑張っていく」

 吉村知事を支持する県政クラブも、県産フルーツの推進に向けた取り組みの必要性を訴えました。

【県政クラブ 木村忠三 代表】
「各地区の思いをもう一度くみ取ってもらい、『何が山形県の果樹振興についてベストなのか』ということをもう一度検討して、新しいものを提示してもらえればと」

 自民党は、県の予算案撤回という対応を評価した一方、改めて場所の選定や費用負担のあり方など、事業を進める上で丁寧な対応を求めました。

【自民党山形県連 森谷仙一郎 幹事長】
「場所やお金の投入の仕方、県内全域を網羅できるようなスキームづくりが一番大切かなと。(寒河江市)ありきではなく、県内一円にあると思う。執行部では、そこが一番(必要)かなと」