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サクランボを霜被害から守れ 生産農家の対策に密着
今の時期、霜被害のリスクが高まるサクランボ。
霜から守るため、昼夜を問わず懸命に作業するサクランボ農家の姿を取材しました。
発芽の時期を迎え、つぼみの成長が進むサクランボ。
この時期に霜が降りると、雌しべが凍り、サクランボの実がつかなくなるリスクが高まります。
山形県上山市の農家、枝松博さんは、ヒーターによって園地の空気を温める燃焼法と、その空気をファンで循環させる対策を導入しています。
霜が降りることが予想された先月31日の夜、枝松さんの作業に密着しました。
「ご苦労様寒くて火つくべか。」
装置を作動させるのは、気温が下がり始めた夜から朝方にかけて。
この日は、午後10時半に作業が始まりました。
【枝松博さん】
「晩酌はできない温度を(スマホで)みながらそろそろつけようかと来た。」(温度計みて)「マイナス2.1度!」
6基のヒーターを持つ枝松さんは、1つ1つ手動で点火させていきます。
夜間作業の大変さはもちろん、枝松さんを悩ませているのは燃料代の高騰です。
【枝松博さん】
「10リットルずつ60から70リットルかな全部に入れて。これが花が咲くまでですからね。」
去年、シーズン中に使用した灯油は480リットルで、かかった燃料代は5万5000円以上。
さらに、ファンをまわすための電気代は、4年前に比べて倍近くになっていると言います。
【枝松博さん】
「その分、サクランボに転嫁できれば良いけど。(上げていたら)『毎年上がりますね』なんて言われてしまう。」
それでも、霜被害のリスクがある夜は、園地に足を運び火を灯す枝松さん。
このときの作業は、日付が変わる頃まで続きました。
【枝松博さん】
「あす6時頃に起きて消火の予定です。サクランボを待っている人がいると思えばなんとか頑張りようもある。夜遅くでも対策をして実をならせることができるのであればしなければならない。良いサクランボになってもらえれば。」
サクランボは、今年も懸命な霜対策と農家のあたたかな思いによって、少しずつ成長しています。
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