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真夏日は過去最多の83日、降水量は平年の1% 猛暑と少雨に苦しんだ山形の夏、そして大雪の冬を振り返る

今年の山形県の出来事を気象の観点から振り返ります。記録的な猛暑や夏の少雨、そして大雪など、県民の生活に大きな影響を与えた一年となりました。

今年の夏は記録ずくめの猛暑に見舞われました。山形市では最高気温が30度以上の真夏日となった日は83日で過去最多を記録。また、最高気温が35度以上の猛暑日も14日間続き、歴代1位の長さとなりました。市民からは「まるでサウナだ。暑くて終わりが見えない」といった声も聞かれました。

県内22地点のうち12地点で観測史上1位の最高気温を更新。この猛暑を受け、米沢市では冷房の効いた屋内で日差しを避けられる「クーリングシェルター」を41カ所設置しました。

一方で、熱中症による被害も深刻で、遊佐町では女性1人が死亡。県内で救急搬送された人は853人にのぼり、これは去年のおよそ1.3倍にあたります。

この記録的猛暑と深刻な雨不足は、県内の産業にも影響を及ぼしました。

農業分野では、水分不足でイネの葉が丸まってしまう「巻き葉」の症状が各地で見られました。山間地域では土壌が干上がってひびが入り、一部の稲が枯れてしまう事態も発生しました。

7月の降水量は、山形・新庄で8mm、酒田では3mmと平年の1%から4%にとどまり、県内ほとんどの地点で観測史上最も少なくなりました。この影響で、観光地では湖が干上がり、最上川の舟下りは川の水位低下により、約1カ月以上にわたって通常のコースでの運行ができない状況が続きました。

一方、今年の冬には強い寒気の影響で大雪となった日もあり、交通機関に運休などの影響が出ました。

気になる年末から年明けにかけての天気について、民間気象会社「ウェザーニューズ」の1カ月予報(来月19日まで)によると、上空に暖かい空気が入りやすいため、県内を含むほぼ全国で平年より気温が高い見込みです。また、県内の降水量・降雪量は平年並みと予想されています。