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市街地へのクマ出没 なぜ相次ぐ
山形県内では2025年、こうした市街地でのクマの目撃が相次いでいて、人的被害も発生しています。
その背景と今後注意すべき点を専門家に聞きました。
2025年6月、山形空港の敷地内にクマ1頭が出没し、一時滑走路を閉鎖する事態に。
7月には山形市北部の住宅地で相次いで目撃され、その後、猟友会に駆除されました。
また、8月10日には戸沢村古口の住宅地で男性がクマに襲われけがをする被害も起きています。
県によりますと8月10日現在の目撃件数は798件、そのうち市街地は93件で、いずれも統計開始以降、過去最多のペースとなっています。
専門家は、クマの数自体が増え、環境が変わってきたことが大きな要因だと指摘します。
「クマが増えすぎて分布域が広がって、ここ数年に至ってはクマの生息圏が人間の生活圏に入り込んで重なってしまっているという状況が出来上がっている。」
クマによる人的被害は5件で、そのうち4件が7月中旬以降に集中しています。
「夏はクマにとって実は一番えさがないシーズン、今えさがないということで、えさを求めて動き回っていると考えられる。」
さらに県内では2025年、クマのえさとなるブナの実が2年ぶりに「大凶作」となる予測が発表されていて、秋にも注意が必要です。
「秋のえさが悪いと秋の出没が増えるということも知られているので、去年よりももっと出没が増える可能性が高い。やはり11月、12月の頭の冬眠が始まるまでは注意してほしい。」
大西さんは、クマによる被害を防ぐためにも人里に近づけない対策が重要だと指摘します。
「クマは鼻がいいので、私たちで感知出来ないようなにおいでも、少し離れたところから引き寄せられてしまうので、ゴミステーションであるとか、漬物樽とか廃棄する果樹、こういったにおいがするものはしっかり密封して、出来れば建物の中で保管してほしい。」
県では8月末まで「クマ出没警報」を出し、注意を呼びかけています。