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特集「記録的大雨1年」

続いては特集「記録的大雨1年」です。

土砂の流入などで大きな被害を受けた「温泉旅館のいま」を取材しました。

最上町・瀬見温泉の老舗旅館「観松館」です。

記録的な大雨から3カ月以上が経った2024年11月11日に営業を再開し、今では被災前の姿を取り戻しています。

災害前よりお客様がたくさん来て頂いているので本当にありがたいと思っています。

しかし現在に至るまでには多くの困難がありました。

2024年7月25日の記録的な大雨では、「観松館」近くの山で大規模な土砂崩れが発生。

リニューアルオープンしたばかりの大浴場などに大量の土砂などが流れ込み、休業を余儀なくされました。

「この辺も全部泥まみれだったので、泥を撤去して砂利を敷きなおすのは、観松館の社員みんなでやりました。」

当時は、厳しい暑さの中、連日、従業員総出で土砂の撤去作業にあたりました。

この旅館では、増水した河川による「浸水被害」も受けていて、一連の大雨による被害額は3億円を超えています。

こうした被害を教訓に、大雨や台風などが多い7月から8月に掛けては、排水ポンプを新たに設置する対策をとりましたが、設備にかかる費用は全て旅館持ちです。

「大雨降らなければ必要ないですけど、大雨が降った時の被害が大きいので…実際にこのポンプで足りるかは降ってみないと分からないんですよ。」

「土砂崩れ」への不安も残ります。

当時、押し寄せた土砂で壊れた浄化槽は解体作業が進んでいます。

現在は新しい浄化槽が完成していますが、近くには当時の爪痕が色濃く残っています。

土砂崩れ対策についてもう少しちゃんとなってもらわないと怖いなと大雨の時に最上町では県と共に道路や山の中腹の応急復旧工事は終えていますが、本格的な対策ついては協議中です。

様々な困難が立ちはだかる中、明るい話題も。

2025年4月、新たな仲間が加わりました。

「内定頂けたときはホッとしましたし、頑張りたいなと前向きな気持ちでいっぱいでした。どんな時も丁寧な接客を心がけて、また来たいと思っていただけるように頑張りたいと思います。」

記録的大雨から間もなく1年。

「観松館」では「おもてなしの心」は変わることなく着実に歩みを進めています。

「もうほとんど災害の跡は無いのでゆっくり温泉に入ってうちの自慢の料理を楽しんでもらいたいなと思っています。」

「記録的大雨1年」。

7月24日は、集落が土砂に埋まった酒田市大沢地区の今をお伝えします。