YTS NEWS

News

山形大学が半世紀以上前の蔵王の樹氷写真を発見

山形大学は、半世紀以上前に撮影された蔵王の樹氷の写真を発見したと発表しました。
これを受け当時、樹氷が出来るメカニズムを研究していたメンバーが、当時の状況を振り返りました。

【山形大学 柳澤文孝 名誉教授】「こちらが1963年以前に撮影されたとみられる写真。標高およそ1660メートルにある蔵王地蔵尊の近くには、当時、木造2階建ての「地蔵小屋」がありました。

山形大学の研究チームがその小屋を拠点に樹氷が形成される経過を研究していました。

【山形大学 柳澤文孝 名誉教授】「ここで研究していたんだなと。どのような苦労をされて研究されたのかということも分かった。だいぶ貴重なお写真?そうですね。」

山形大学で行われた研究発表には、当時、学生として研究に参加していた奥泉吉徳さんが出席。当時の状況を語りました。

【奥泉吉徳 さん】「樹氷は、主に厳しい吹雪の夜に成長する。私たちは夜中に一時間おきに地蔵小屋から地蔵山頂駅まで行き(樹氷形成の経過を)観測していた。」

1960年代まで樹氷はマツに付着した水滴が凍って形成されたという説が支持されていましたが、奥泉さんらの研究チームによって雪と氷が重なって出来上がるというメカニズムが解明されました。

【山形大学 柳澤文孝 名誉教授】「小屋があって、そのすぐそばに非常に高い樹氷があった。それを断面を切るなどすることによって研究出来たということが明らかになった。」

奥泉さんは若い世代に対し蔵王の樹氷に接する機会を多く持ってもらいたいと話します。

【奥泉吉徳さん】「子どもたちや中高生が樹氷を入口にして科学に興味を持ってもらえたら良い。物性、氷や雪もあるしアオモリトドマツという生物もあるし、これが(子どもたちの興味の)入口になれば嬉しい。」