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山形県内初の診療車を使った遠隔診療スタート

 医師不足や高齢化の問題を抱える酒田市の中山間地域で、医療機能を備えた車両を使った遠隔診療が始まりました。
地方の医療問題の打開策になるのか初日の現場に密着しました。

「こちらがきょうから運用が始まる車両中には様々な医療機器が備えつけられており医師がいなくても診療が可能になる」

 日本海総合病院を運営する県・酒田市病院機構が始めたのが、「医療MaaS」と呼ばれる県内初の診療車を使った遠隔診療。
 去年から実証実験を行っていて、きょう本格的に運用が始まりました。

 車の中には電子カルテや体温計、血圧計や聴診器など診療に必要な器具が備えつけられています。
 こちらに看護師と事務員が乗車し、患者の自宅を訪問。
 クリニックにいる医師とビデオ通話でつなぎ、診療を行います。

 遠隔診療の対象地域は酒田市の中山間地域にあたる八幡地区周辺。

「日本海八幡クリニック」に通院しているものの、交通の問題などで通院が難しい患者が対象です。
 こちらは酒田市日向地区に住む89歳の女性。

 高血圧などの持病があり、月1回ほど通院しています。

【医師】
「きょうは具合どうですか」
「順調です」
【看護師】
「足見ますか先生こんな感じです」
【医師】
「押すと引っ込む?」
【看護師】
「引っ込みます」
【医師】
「むくみを取る薬を続けておきますね」

「(Qいつもの診療と同じだった?)はい」

 自宅からクリニックまで車でおよそ10分ほどかかりますが、日向地区ではバスなどの交通手段がなく、家族が送迎していました。
 今回の事業では、薬局から自宅まで薬の配達も可能になります。

「冬の吹雪の時なんかは通院がすごく(大変)農家をやっているから忙しい時と重なるときもあるこうやって10分、15分で終わってしまうので楽」

 看護師が補助を行うため、医師も安心して診療に当たることが出来ると話します。

【日本海八幡クリニック 土井和博診療所長】
「移動手段がなくて困っている高齢の方は多いから医療に消極的になる傾向があるこのような医療MaaSを使って安心して医療を継続出来るような体制をつくっていきたい」

 今後、他のクリニックや地域でも遠隔診療を導入するよう検討していくとしています。