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重油高騰で漁業関係者に大打撃

 原油高騰の影響はガソリンだけではありません。原油から精製される重油の価格も高騰しています。重油は漁船の燃料で、県内の漁業関係者は大きな打撃を受けています。

【漁師 三春優飛さん】
「厳しい、本当に厳しい」
【漁師 佐藤大貴さん】
「燃料が高く経費がかさんでいくので厳しい状況。(重油が)高ければ高いほど影響はします」

 若手漁師の佐藤大貴さん(26)です。高校を卒業して以来8年間、底引き網漁で海に出ています。これほどの燃料の高騰は初めての経験だと言います。

【漁師 佐藤大貴さん】
「めったにないですね。100円になることなんて」

 県漁協によりますと、船の燃料として使用される重油の価格は、去年4月1リットルあたり60円ほどでしたが、その後 緩やかに上昇し、今年11月100円を超えました。約1年半で1.5倍以上に膨れ上がっています。さらに、庄内沖ならではの漁の特徴も漁業者を苦しめます。

【県 漁業協同組合 西村盛 専務理事】
「山形の海岸線は、秋田・新潟に比べ非常に短い。短い海岸線の中で漁船が商売するということは、沖合に漁場を求めるので油代に非常に効いてくる」

 庄内浜での底引き網漁の場合、港から90キロほど沖に出る必要があり、月に約5000リットルの重油を使用します。去年4月と今年11月の値段で月の重油代を計算すると、差額は20万円。底引き網漁が解禁となる10カ月間でみると、単純計算で200万円以上の燃料代が多くのしかかってくることになります。
 11月から国の支援制度で、1リットルあたり15円の補助金が支給され始めました。しかし、去年4月との価格差は約40円で、漁師の負担が重くなっていることに変わりはありません。

【漁師 佐藤大貴さん】
「(お金が)入ってくるので、足しにならないということではないが、(価格が)上がれば上がるほど苦しくなっていく」

 影響は燃料だけにとどまりません。

【県 漁業協同組合 西村盛 専務理事】
「油が高いことで、魚箱も価格が上がっている」

 取った魚を入れる箱は石油から精製される発砲スチロールでできていますが、箱代も11月から1割値上げされました。このため、箱代は月で約3万円増え、大漁になるほど経費がかさんでしまいます(270円/税別)。

【漁師 佐藤大貴さん】
「箱も単価が安いのに高くなるって。そうなると経費がだんだんかさんでいく。その分 魚の値段も上がっていけば」

 経費はかさむ一方、肝心の魚の売値は新型コロナの影響で、依然 飲食店などの引き合いが弱く、安い状態だと言います。漁業者を取り巻く環境は、より深刻になっています。県漁協では県のほか、港がある酒田市・鶴岡市・遊佐町に対し、箱代の3分の1を負担するよう支援を求めています。

【県 漁業協同組合 西村盛 専務理事】
「あまりにも急激な(価格)上昇に耐えられない漁業者も出てくる。不利益をこうむることが無いよう一生懸命やりたい」