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悩む子どもに選択肢「フリースクール」という居場所
県によりますと、昨年度、県内の小中学校で30日以上欠席した不登校の状態にある児童や生徒は2339人で過去最多となりました。
その人数は年々増えていて、特にコロナ禍に入った2020年度から急激に増えているようにも見えます。
こうした背景について県は、コロナ禍で児童・生徒が学校に行くハードルが低くなったことや、学校側も体調不良時は積極的に登校を促せなくなったことがあるのではとしています。
不登校の子どもたちはどんな悩みを抱えているのでしょうか。
不登校になった子どもたちが相談していた内容として多かったのは、小中ともに、学校生活に対してやる気が出ない、生活リズムの不調などがありました。
県では相談しやすい環境づくりの徹底や、フリースクールの活用など児童や生徒に寄り添った支援を行っていくとしていますが、今回、実際にフリースクールに通う子どもを取材してきました。
天童市にある「フルイドスクールterra」。
2021年にスタートさせたこの施設は、週2から週5での定期利用のほか、単発で利用することもでき、現在は小学生から中学生まで1日当たり5人ほどが通っています。
運営しているのは元小学校の教員、工藤美季さんです。
【一般社団法人terra工藤美季さん】「なんとなく学校の中の時間の流れに疲れてしまう子もいれば、友達とうまくいかない場合、後は元教員としてはあまり言いたくないが先生と合わないというのもある。」
フリースクールでは、学校に再び行けるようになることや、生活を立て直すことなど目指すゴールは人それぞれです。
【インタビュー】「だんだん体調を崩してしまって、それも精神的なものだと思うけど、学校に行って(フリースクール)で充電する生活を続けていくことで学校に行く日もだんだん増えた。」
取材した日の午後は、「フリータイム」。子どもたちの「自己選択」、「自己決定」を第一に、他人に不快な思いをさせなければ、自分がやりたいことを自分の意思で決めることができます。
【インタビュー】「ここでの生活、楽しい、居やすい。」「みんなで居心地やすい空間を作っていて、すごくここに居やすい感じがする。」
ここでの生活を息抜きに、自宅で勉強を行うなど自分のペースで過ごせる上、学校では経験できない社会体験ができるのも大きなメリットですが、工藤さんはまだまだフリースクールの存在が保護者に知られていないと感じています。
【一般社団法人terra工藤美季さん】「学校に行かなくなってしまってからだと、なかなか次の場所に踏み出すのは大変。そうなる前にこういうところもあると知っててもらうと、今日行きたくないと(子どもが)言っているときに、誰かとつながっている。そこでまた気持ちが落ち着いたら学校に向かう。(フリースクールと)どっちも利用できる形になればいい。」
不登校の子どもに学びや体験の場を提供するフリースクール。
定期的に利用するなどの一定の要件を満たし、在籍する小中学校の校長が適切な施設であると判断した場合は出席の扱いにすることもできます。
こちらの中学3年生は来月から新生活が始まります。
【インタビュー】「JK(女子高校生)としてたくさん遊びたい。毎日学校に行って友達としゃべって放課後にファストフード店とか行ってJK(女子高校生)を満喫したい。(terraに)帰って来たいと思ったら帰ってこようかと。ちょっと学校疲れたなと思ったらここにまた戻ってくる。」
【一般社団法人terra工藤美季さん】「まずは遠慮なく県内にもフリースクールがいろいろあるので、ぜひ足を運んでまずは相談してみる。そんな一歩を踏み出してほしい。」