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関心の低さの背景は?県知事選挙 有識者に聞く

関心の低さが課題となった今回の知事選挙。

背景にあった無投票ムードや今後のオール与党体制について有識者に聞きました。

与野党が肩を並べて支援するオール与党体制が垣間見えた知事選挙。

この結果、県政界で高まった無投票ムードは、最後まで払拭できませんでした。

地方政治に詳しい東北大学・大学院の河村和徳准教授は、選挙における無投票のリスクを指摘します。

【東北大学大学院 河村和徳准教授】
「無投票になると選挙広報も出ないし、何をやりたいか指針が分からない。それだけでなく、無投票当選した人は、民意があったので無投票になったのではなく、政党の都合で、結果論として無投票になるので、当選した人の民意がどれくらいか分からない。背負っている民意を見える化する過程としての選挙。無投票よりも選挙やったほうが、どれだけ民意を背負っているか、はっきりするので、その方が相対的には良い」

結果的に選挙戦とはなりましたが、無投票阻止を理由とした男性の出馬には、批判の声も聞かれました。

しかし、河村准教授は、男性の出馬には国政政党を批判する側面もあったと推測します。

独自候補の擁立を断念し、告示のおよそ1カ月前になって現職の支援にまわった自民党。

この自民党の動きが、有権者の関心や投票率を低下させるきっかけになっていると考えています。

【河村准教授】「(知事選で)もし負けた時のダメージを、最小限にリスクヘッジするから、あえて不戦敗を選ぶことも考えられる。(次の)国政選挙のために、地方の対決意識をスキップするのは望ましくない。オレの1票で選挙結果が変わる、行かないと損だと思わせることが出来るのは実は政党勢力。その政党勢力が自分たちのすべきことを放棄して低投票率になるのは避けるべき」

今後、オール与党体制が見込まれる県政界。

これまで以上に吉村知事の手腕が試されると言います。

【河村准教授】「自民に協力してもらいたいのは山々だが、安易に妥協すると吉村県政に対する期待もしぼむ、県政に対する不信感も高まる可能性がある。一方で、自民党が全く協力してくれないと条例案や予算案を通すのが大変。どれくらい、知事が自民党との距離感をコントロールできるか。絶妙な塩梅はどこなのかを探していかざるを得ない」